小学生の低学年の頃、サッカークラブに数年入っていた。そこでは毎回リフティングをしていた。最高3回くらいだったと思う。
その後は自宅でリフティングを練習した。
つま先でやるリフティングなら何回でも出来た。何回と言っても流石に100回くらいだけど…。
この頃は何故か心に余裕があった。
中学に入り同級生にサッカー部に誘われた。
サッカークラブを辞めてから卓球やバレー、水泳などいろいろなスポーツを軽く触れた。軽くだけなんだけどさ。
吹奏楽にも興味を持っていた。
でも元からサッカー部に入るつもりではあったのでとりあえず入ることにした。
周りのレベルは一部を除いて自分と似たようなものだった。
4月。中学に入って数週間も経たない内に負傷した。家の中ではしゃいでたら角に右足の中指〜小指を激突させてしまった。グシャッっという少し生々しい音がした。骨折。
復帰すると同級生は上手くなっていた。あと同級生の部員も減っていた。
置いてかれた焦りがあったのか、全てが0からになっていた。
練習しても身に付かず、試合に出ても全く活躍出来ず。
今思えば何故出来なかったのかよくわからない事ばかり。この頃のリフティングの最高回数は多分7回。酷い。何故下手になったのだろうか。
入部時から受験の為3年の春に辞める予定だったが頭がパッカンして不登校になり2年の冬に辞めた。
なんやかんや通信制高校に通う事になる。
通信の高校にはサッカー部が無かった。
たまの休日に親とボールを蹴るくらい。
サッカー観戦はするが、またやろうという気持ちなんて無かった。
転機となったのは2018年3月17日。
開幕後、いつものようにJリーグ・カターレ富山の試合を見に行く。
カターレ自体やサッカー観戦はもちろん好きだが、スタジアムの中や外をグルグルするのも好き。
外をブラブラしていると芝のマットが引いてあり、カターレの元選手、引退後スタッフとして関わっていた人達が4人でサッカーをしていた。
どうやら子供スクールの勧誘目的でサッカーを行なっていたらしい、がスタッフ以外の人が何故か近寄らない。
現役時代好きな方が多かった為近寄り、コートの外から眺めていると、あるスタッフが声をかけてくれた。
「一緒にやりませんか?」
現役時代好きだった選手がスタッフとして話しかけてくる。
断る理由もなく一緒にサッカーをした。小さいコートだったがすぐスタミナが切れた。
子供達が集まり一旦外に出る。またコートの外で眺めているとボールが場外へ飛んだ。
それを拾い渡そうとすると先程話しかけてくれたスタッフがまた声をかける。
「サッカーやりましょうよ!」
コートに入ると幼稚園児くらいの子が2人いた。
その子達とサッカーをする。大人気ないプレイをする程のテクニックはない。
時間になり、サッカーを終える。
帰りにスタッフの方と写真を何枚か撮った。嬉しかった。
スタジアムの席に座る。父親はずっとスタジアムの中にいた。父親は俺が外でスタッフとサッカーをしていた事を知らない。
肝心の試合内容に関してはあまり覚えていない。
試合が終わり車で帰る。サッカーを楽しむという懐かしい感覚がずっと残っていた。
後日、射水のラーメン屋でラーメンをすすりながら父親と話す。
「俺、またサッカーやりたいんやけど」